日本語の感嘆表現/擬音と日英ローカリゼーション
"Gnhhh!" ... "Whhhhaaaah!" ... "Bah….ah...gahhhhhh"... "Hmmmf!"... "Ehiehhh" ... "Mhaemm!".. These grunts, sighs, squeals and miscellaneous other vocalizations compose roughly 1/4 of the dialogues in the early hours of Final Fantasy XIII.
On one hand, they're to be expected; Japan is known for its plethora of exclamations and onomatopoeiae. On the other - when translated literally - they make for a poor localization.
要約すると、
- FF XIII には英語話者からしたら没入感がそがれるくらい感嘆詞が多い
- 日本語はそういうのが多い言語として知られる
- 日本語の感嘆表現は英語よりも長いことが多いし、完全に対応する表現がない
- 多くの場合、英語でもそのまま置き換えられているが、そのせいでローカリゼーション品質が落ちる
- コアなファンはその変なところも味として受け入れているがカジュアルなファンはそこで冷める
- 文化の違いは尊重するべきものかもしれないが「プレイヤーにとって消化しやすいもの」とするには変わらなければいけない
そして Kotaku からの提案
- 可能なら、ローカライズ版ではいらない感嘆表現をカットしてしまう
- 意味不明になる感嘆表現はターゲット市場で通じるボディランゲージにしてしまう(「むわあ〜〜?」を「手を肩に置いて小さく"はあ?"」にするとか)
- 文脈のない感嘆表現を、ターゲット言語では文脈込みの表現にする*1 (車の衝突を見て「うをおおおあああああああああ!?」ならば、「Oh My God!?」とする)
- 変更の作業負荷? Lip-sync の自動化は既にけっこうポピュラー http://www.voice-o-matic.com/
記事の著者はビデオゲームデザインコンサルタント/Incubator Games のクリエイティブリード、Radek Koncewicz 氏。
おそらく大切なのは、「ターゲットがそれをどう捉えるのかをある程度まで把握した上でゲームを作り始める」ことなのでしょうね。
以前、僕の尊敬するローカライズ業界の先輩から「ローカリゼーションとはマーケティングである」という名言を聞きました。
これと「ローカリゼーションは開発開始時から始まっている」を組み合わせると、海外に向けた製品の品質をみすみす無駄に落とさせることがなくなるかもしれません。
皆様、お仕事、頑張ってください。
*1:私自身日英プロジェクトの経験はないので何も言えませんが、英日の場合でも「文脈のない感嘆表現を、ターゲット言語では文脈込みの表現にする」というのはテクニックとして使うように思います。