インタビュー記事紹介:いかにしてK氏はゲーム翻訳者になったか

以前一緒にお仕事させていただいたことのあるゲーム翻訳者さんが、翻訳情報サイト大手のアメリアでインタビューされていました。

【アメリア】Flavor of the Month 63 福市恵子さん

ゲーム翻訳者になりたいけど、他の人達はどうやって「ゲーム翻訳者になった」んだろう?と思っている方、ぜひご一読を。

以下に、ゲーム翻訳者として6年前と現在の違いを語っている箇所を引用します。
一概に全部がこう、とは言えませんが、この6年で「翻訳なんか対象文字列渡しときゃいいんだろ」という会社が少なくなってきているのは事実だと思います。

  • 坂田:翻訳会社からはどのような資料が届くのですか?
  • 福市:まず、私が初めてゲーム翻訳の仕事をしたのは今から6年前の2004年だったのですが、その頃と今とではかなり違ってきています。2004年頃は、資料などはほとんどない状態で、テキストだけが送られてきて、それを読んで想像しながら訳してください、という感じでした。
  • 坂田:翻訳するテキストだけ、ということは、それがどのような内容のゲームで、登場人物がどんなキャラクターで、といった情報が何もないということですか?
  • 福市:そうなんです。送られてくる原文は、翻訳会社によってスタイルは違うと思いますが、私の場合はエクセルの表に原文が書いてあり、その隣に訳文を入れるように空欄が設けてあり、そこに訳文を書き込んでいくんです。セリフは必ずしも話の流れ通りに並んでいるわけではないし、キャラクターが何歳くらいなのか、男なのか女なのか、あるいは人間なのかどうかもわからないような状況で翻訳しなければなりませんでした。ゲーム自体の開発と並行して翻訳を進めるので仕方ないのですが……。
  • 坂田:それでは、本当に正確な翻訳ができませんね。
  • 福市:もちろん、開発が進んで、最終的には画像と合わせたところで修正をするのでしょうが、最初の翻訳はそのような状況なので大変です。もう、想像力を働かせるしかありませんでした。
  • 坂田:それが6年前で、現在はどうなのでしょう?
  • 福市:最近は、特に大手の開発会社の仕事に関しては、原文と一緒にかなりの量の資料が届きます。全体のストーリー、キャラクターの人物設定ーー日本の芸能人でいうと誰か、といったところまで細かく書かれている場合もーー場合によっては開発途中の動画を送ってもらえることもあります。そうなると、すごくやりやすいですし、やりがいも増してきました。
  • 坂田:その資料というのは日本語ですか? 英語ですか?
  • 福市:日本語に訳されたものがくることもありますが、それはまれで、だいたい英語のままくることが多いですね。

翻訳者ってどんな事を考えているんだろう?と思っている方にも、楽しく読んでもらえる内容だと思います。
どうぞっ。