稲船さんインタビューなどの部分翻訳 3 点

Tumblr に流して Twitter でも呟きましたが、こちらにもまとめておきます。

下記 3 点は LYE が個人的に気になった部分だけを抜き出して翻訳したものです。他にも面白い情報が含まれていると思うので、特にご自身のお仕事に直接関係がある方などは是非原文を読んでみてください。

なお、稲船氏のインタビューは LYE が勝手に英語から日本語に翻訳したものですので、「稲船さんが話した日本語ではない」ことにご注意ください。

稲船さんインタビュー From EDGE Magazine

海外デベロッパとのコラボレーションについて

<中略>

過去のプロジェクトの悪口を言いたくありませんが、成功しなかった過去のコラボレーションプロジェクトの場合、プロジェクトの初期段階で間違いを犯したと思います。開発に対するアプローチをどうやって管理すればよいか分からなかったからです。欧米モデルの開発を受け入れたほうがいいのか? それともこれまで培ってきたCapcom式を貫いたほうがいいのか?ということです。当時は初期段階において、あちらの開発会社から「欧米スタイルのゲームを作りたいから、うちの開発スタイルと方法論を使わせて欲しい」と言われまして、Capcomとしては海外デベロッパとのコラボレーションをした経験がまだまだ浅かったので、一歩引くことに同意して、あとは時々チェックするという方法を取ったんです。


しかしその結果、出来上がったゲームは「Capcomのゲーム」という感じがしなくなり、どのパブリッシャでも発売できるような感じのタイトルになってしまった。なので今回 Capcom が Blue Castle と一緒にやろうとしているのは、ギャップを超えて、真のコラボレーションを実現することだったんです。他のデベロッパと違い、Blue Castle のスタッフは Capcom のゲームを作りたい、Capcom の手法を使いたい、と言ってくれたんです。Capcom としてはDead Rising 2 を欧米で開発したかったので、両者ともにコラボレーションを求める気持ちが非常に強かった。これは完成したプロダクトにも反映されていて、日本的なデザイン要素を沢山盛り込みながらも、欧米スタジオの技能も取り入れることができていると思います。


<以下略>

CERO について

<中略>

日本のレーティング機関である CERO はゲーム中の暴力表現について非常に厳しいですよね。この点をクリアする上でどんなアプローチを取られますか?


かなりキツいです。CERO はゲーム内の要素を独立したものとして審査するんです。「あら、頭部欠損表現があるんですか? 血は出ますか?」と。でレーティングはその要素に基づいて付けられてしまう。ゲームの意図だとか、他の要素なんかは評価対象にしてもらえない。頭部欠損表現ありイコールZレーティングです。これが最大の問題ですね。CERO がゲーム全体を把握しながら、「このキャラクターをつき動かしている動機はなんですか?ゲームのテーマは?この暴力表現の背後にあるストーリーは?」と聞いてくれるようにならないと、レーティング機関の仕事には思えないです。


ゲーム全体を把握して評価するという点では、西洋諸国のほうがいい仕事をしてると思います。Capcom は以前 Shadow of Rome というゲームを出したんですが、頭部欠損表現があるにもかかわらずドイツでレーティングを取得できたんです。あちらの機関では、ゲームのテーマを見て、主人公は殺しを楽しんでいるわけではなく、愛する者を救うために戦っていること、そして多くの場合戦闘は回避できることを汲んでくれたんです。一方で CERO はモンスターハンターを「モンスターの尻尾を切り取れる」という理由で C (15 歳以上) とレーティングしています。 10〜12 歳の子供もモンスターハンターをプレイしますが、尻尾が切れることで悪影響が与えるなんて思いますか!? 私は審議会のプロセスがどうも理解できない。


<以下略>

この他、Dead Rising 2 の武器のアイデアは Blue Castle 社が出したものがたくさん入っているだとか、そういった細かなお話もありました。よかったら原文をチェックしてみてください。

Naughty Dog クリエイティブディレクター、同社のモーキャプについてちょっと語る From Develop

<中略>

他のゲームデベロッパと違って、Naughty Dogではモーキャプステージ上で複数の役者さんに一緒に演技してもらいます。こうすることで、より演劇的、カメラ収録的な演技になるんです。ある意味、役者の原点に立ち返ってブラックボックスシアター(セットなどのない平らな床と黒い背景の舞台と椅子だけを並べた劇場、英語Wikipedia解説)で演じてもらうような感じです。


<以下略>

なお、このほかにも Uncharted 2 の未公開のアートやアイデアが満載の本が発売されている模様。

気になった方は読んでみてはいかがでしょう。Develop 誌には同書籍の抜粋もチェックできます!