ゲームの多言語展開に関する無料 Web セミナー紹介

英語ですが、ゲームの多言語展開に関する無料 Web セミナー (以下 Webinar) がランゲージサービスプロバイダーである ENLASO 社のサイトにて公開されています。
多数の Webinar (一部有料) が用意されていますが、ここではゲームの多言語展開に特化したものを紹介します。
(ゲーム翻訳勉強/交流会 #VGTransJP のサイトより転載)
内容は翻訳者向けではなく、開発やパブリッシュ関係の方にこそ知っていただきたい内容でした。気になった方はチェックしてみてください。

視聴方法

  1. 視聴したい Webinar の [Click here for more information, and to request this webinar] リンクをクリックします。
  2. 表示されたページの下部にある [Request this Webinar] セクションに、必要な情報を入力します。
  3. [Submit Request] ボタンをクリックします。
  4. 入力したメールアドレスに、後日担当者よりリンクが送信されてきます。
  5. リンク先ページで [Click here to view the recorded web presentation.] をクリックします。
  6. 電子メールアドレスを入力して [submit] をクリック、その後氏名とメールアドレスを入力すると Webinar へのリンクが表示されます。
    ※自動的に立ち上がらない場合は WMP などに URL を食べさせてください。

紹介 Webinar:Fundamentals of Multilingual Games Localization -with Liesl Leary

ここでは上記 Webinar から具体的な Tips をいくつか拾い上げて紹介します。青字は LYE コメントです。
実際の内容は 22:50〜「Top 10 things Developers Can do to make localization cheaper」をご覧ください。

  • ファイル名を重複させない
    • resource1.resx が20個あるとかはやめる
  • テキストは開発段階で「書き出し」できるようにしておく
    • 特にグラフィック
  • 開発中であっても、あまりテキストを適当に書かない
    • 正確に、必要な情報を省略せずに書く
  • UTF-8 を使う
    • 最初 L10N の予定がなくても。いつそうなるか分からない
  • 変数 (プレースホルダ) はできるだけ使わない
    • 使わないのは無理なので、文頭や文末に置いて移動できないようにするのは避ける、動かせるようにしよう、くらいが現実的か
      プレイヤー名の後に「の装備品」と表示させるなら、テキストには「の装備品」でなく「[playername]の装備品」とする、みたいな。また、一文を複数の ID に分けるのもやめた方が良いです。日本語発の場合は、他の言語と語順が大きく違うことが多いので品質低下の原因になります。そして、コレを後から一文にまとめるのは、特に発売日が迫っている状態であればなおさら、相当な負担になります。
  • オリジナル開発中に使ったテストプランはとっておいて、ローカライズ開始前に Loc ベンダーに渡す
  • 1 ファイルに多言語を入れる形式はできる限り避ける
    • 言語ごとにファイルを分ける
  • 作業対象外ファイルは、L10N ベンダに渡す前にディレクトリツリーから省いておく
    • L10N ベンダは見積もりも早く出せるようになるし、その分コストも安くなるし、何より間違いがない
  • グラフィックはレイヤー保持してる形式で渡す

この Webinar では他にも

  • ローカライズ予定のゲームタイトルプロジェクトにおける上流および開発工程で知っておくべき知識
  • 「コストを掛けずに」品質が上げる方法、無駄な Rework を減らす具体的な方法
  • 多言語展開するときに問題となる文化などの違い (一部ヨーロッパ語圏で小数点が , であることなど)
  • Loc Kit (Localization Kit; ローカライズ用資料/ファイル一式) の概要

などが紹介されています。英語での受講を気にしない方は見てみてください。

ちなみに、最近色々な文書を読んでいて知ったのですが Localisation はどちらかといえば英国的、Localization は米国的な表記だそうです。へー。