英会話力

先日、年に1回も乗らないタクシーに乗る機会があった。運転手さんがおしゃべりなオジサンだったので色々と話していたら、「そういえば先日、年に何回かしかない成田空港までのお客が付いたんですよ」って言われたんです。今日のエントリはその「つく」の表現から考えたことです。


僕はこれまでタクシー業界に関わったこともないですし、知り合いにもタクシー業界の人はいません。でも「お客が付いたんですよ」って言われたとき、考えることなく意味が分かった。ああ、この業界ではそういうのね、くらいしか思わなかった。

でもこれがもし日本語勉強中の外国人だったら、果たしてすぐに分かっただろうか?
多分辞書で「付く」を引いても

付く【動詞】
接触、接合、付着すること。

くらいしか書いてないでしょう。「辞書に出てない言葉」とか「スラング」とかって言葉で片付ければそれで終わりですが、僕はそれよりも「自分の母国語では、その動詞が持っているイメージをそのまま(頭の中で厳密な意味など固めることなく)使っている」、「そうやって使っていることばのうち、使われる状況が多いものが辞書に載る」って考えてみるのはどうかな、と。


僕の英会話力は仕事や日常生活なら問題ないくらいのレベルですから、仮に海外でタクシーに乗ったときに上のような「辞書に載っていない」表現が出てきたら、まずその使い方を「知らない」と思います。でもそれと同時に「だいたい理解できる」自信がある。それは多分、僕が英語をイメージで覚えているからです。そして文脈から分からない単語の意味を推測することに慣れているからです。

逆にリスニングの苦手な人というのは、表現を聞いたときに「自分が知っているか知らないか」で白黒つけてしまうような気がする。黒星ついたら先頭グループから脱落! みたいな。肩の力を抜いて! とか、もっとフィーリングで! とか、気合入れれば分かる! とか、英語で考えろ (コレ大事だと思うんですけどね)、っていう「しゃべれる人の謎アドバイス」はおそらくコレが原因じゃないかなあと。



それともうひとつが、リスニングのときにそれまでの内容 (文脈) を脳内メモリに置(か|け)ない人。ギターヒーロービートマニアみたいに、降ってきたものを正確に叩けたら Perfect! で、叩いたものをメモリから消去! って感じだと、分からない単語が出てきたときに前後から想像できなくなっちゃうので、さっきの「黒星ついたら先頭グループから脱落」になりやすくなってしまう。

ここで前"後"と言ったのは、実は文脈をしっかり頭に置いていると"その後"まで想像できるようになるんです。日本語で親とか上司に怒られているとき、大体次に言うことわかるでしょう? ああいう感じで、それまでの雰囲気から次に言うことが予測できるようになる。


もちろん漠然と聞いていてもここまでに書いたことはできるようになりにくいので、意識して取り組む必要があるでしょう。


少しまとめてみたいと思います。

ここまででLYEが出した妄想アイデア

リスニングしてない時間

  • 単語はイメージで捉える

リスニング中

  • "聞いたことはしばらく脳内メモリに置いて、耳からの入力をメモリに追加していく"方法を実践しようと意識する
  • 脳内メモリに蓄積した内容から話の方向性を想像するよう意識する (これしてると、予想が裏切られたときに凄く驚けるという副産物も)

普段できること

  • Podcastなんかで英語を学習している場合は、聞いたことをできるだけ画像としてイメージして、ストーリーを予測する

とりあえず今日は、こんなカンジで。